浪曲の演目

慶安太平記けいあんたいへいき

実録物丸橋忠弥善達由井正雪江戸駿河東海道実在の人物が題材幕府への謀反護摩の灰続き物道中付け

由井正雪・丸橋忠弥らによる慶安事件を扱う続き物です。浪曲では、僧・善達が東海道で護摩の灰と出会う「怪僧善達」がよく演じられます。

続き物(何席にも分かれて語られる長い話)。系統は実録物

あらすじ

徳川幕府の政策を批判し、増え続ける浪人の救済を掲げて幕府転覆を企てた由井正雪(慶長10年〈1605年〉〜慶安4年〈1651年〉)と、槍の名手・丸橋忠弥(生年不詳〜慶安4年)らによる慶安事件を扱った物語です。

2冊のうち筋を書けるのは「怪僧善達」の一席だけです。続き物全体の筋は記述がありません。

主な一席

1

成立と背景

『浪曲・怪談』は、この一席のあと、善達が知恩院へ上納金を届け、帰り道で護摩の灰や追い剥ぎを退治し、その様子を見ていた由井正雪に誘われて一味に加わると記しています。歌舞伎では河竹黙阿弥の『樟紀流花見幕張』として演じられます。

浪曲特有の「道中付け」——地名を洒落や縁語でつないで道のりを聴かせる部分——が入るのがこの演目の特徴です。

演じてきた人

浪曲では初代木村重松(明治10年〈1877年〉〜昭和13年〈1938年〉)と二代目重松(明治37年〈1904年〉〜昭和41年〈1966年〉)が得意としました。

ほかの芸能でも演じられます

この演目は講談でも演じられています。同じ題材でも、 芸能によって筋の運びや読みどころが変わります。

この演目を調べる・聴く

浪曲は演者によって筋や節の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 浪曲・怪談 知っておきたい日本の古典芸能瀧口雅仁 編著丸善出版2019年
  2. 浪曲論[増補改訂版]稲田和浩彩流社2022年

上の本に書かれている事実をもとに、文章は書き起こしたものです。本の文章は転載していません。

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