落語の演目

しじみ売りしじみうり

人情噺博奕商売若旦那小僧按摩

鼠小僧が蜆売りの子から身の上を聞き、姉と若旦那を助ける人情噺。

あらすじ

鼠小僧次郎吉こと和泉屋次郎吉という親分が、ばくちで負けたあと芝汐留の船宿伊豆屋で酒を飲んでいると、十歳くらいの子供が蜆を売りに来ました。買ってやって事情を尋ねると、母と姉が病気なので蜆を売っているといいます。

姉は新橋で名の知れた紀伊国屋の芸者小春で、三田の質屋松本屋の若旦那と深い仲になり、若旦那は親から勘当されていました。二人は箱根の湯治場へ行き、碁や三味線を教えて暮らしを立てようとします。

ところが箱根でいかさまの賭け碁にひっかかり、持ち金をすべて取られたうえに借金までこしらえてしまいます。困っていたところへ立派な親分が通りかかり、助けたうえに三十両を恵んでくれました。

その三十両は卜の字の極印が打たれた不浄金で、若旦那はこれを使ったためにつかまって牢に入れられ、小春は心労から病気になってしまいました。子供はこの一部始終を次郎吉に語ります。

次郎吉は「あいにく持ち合わせがねえ」と子供に三分だけ渡し、「一年前に箱根で恵んでやった三十両がかえって仇になったと聞いちゃ、うっちゃっておかれねえ」と、助け出す算段を考え始めます。

ちょうどそこへ、兇状持ちの度胸熊という男が自首して出るといいます。次郎吉はこの一件をうまく利用し、牢の若旦那と病の小春を助け出しました。

成立と背景

二代目松林伯円が得意にした白浪物の講談の一部を、人情ばなしに仕立て直したものとされています。

上方ではサゲをつけて演じられ、「親のシジメ(死目)に逢いたい」というだじゃれで結びます。桂小南は舞台を上方に変え、「親分の声が大きいので身がシジミました」という地口で結んでいました。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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