高津の富こうづのとみ
別題: 宿屋の富
大きなほらを吹く宿泊客が、宿屋との話の流れで買わされた富くじを、思いがけず当ててしまう滑稽噺。
あらすじ
宿屋に泊まった客が、自分の家には大勢の奉公人がいて、盗みに入られても運びきれないほどの金があり、方々の大名に金を貸しては利息をつけて返され困っていると、大げさな作り話を語って聞かせる。
話の流れで、宿屋が副業で売っている富くじを一枚買うことになった客は、持ち金を使い切って一文無しになってしまうが、当たったら半分を宿屋にやろうと大きなことを言う。富くじの当日、社寺までぶらりと出かけると、買わされた札が一番の当たりになってしまい、驚きのあまり宿へ戻って寝込んでしまった。
客が当たりを知らずに寝ていると思った宿屋の主人が、慌てて二階へ駆け上がる。興奮のあまり履物を脱がずに部屋へ上がり込んでしまい、布団をめくると、客も同じように履物を履いたまま寝ていた。
慌てて上がり込んだ主人が布団をめくると、客も履物を履いたまま寝入っていた。
演じ方の違い
同じ演目でも、演者によって細部が変わります。分かっている違いを並べています。
- 富くじを売る場所や、当てた客の話し方、落ちの言い方にいくつかの型があり、ここに書いたのはそのうちの一つです。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

