猫の皿ねこのさら
別題: ねこの茶わん
街道の茶店で、猫が値打ち物の皿で餌を食べています。掘り出そうとした道具屋の思惑が外れます。
あらすじ
旅から旅へ掘り出し物を探す道具屋が、街道沿いの茶店で休んでいると、店の親爺が猫に絵高麗の梅鉢の皿でご飯を食べさせているのを見つけます。道具屋は値打ち物だと気づきます。
道具屋は、親爺が皿の値打ちに気づいていないと見て、まず猫を譲ってほしいと持ちかけます。猫の代金として小判三枚を渡し、猫を譲り受けます。
そのうえで、猫が食べつけているからと言って皿も一緒に譲ってほしいと頼みますが、断られます。親爺は、その皿は絵高麗の梅鉢という品で相当な値打ちがあると明かします。
それなら、なぜ猫の餌にしているのかと問い詰められた親爺は、この皿で食べさせていると時々猫が三両で売れるのでございますと答えます。
成立と背景
原話は、滝亭鯉丈の滑稽本『大山道中栗毛後駿足』(文化14年刊)です。道具屋を題材にした噺には、ほかに「道具屋」「火焔太鼓」「茶金(はてなの茶碗)」「初音の鼓」があります。
本によって違うところ
落語は演者や本によって細部が変わります。読んだ本の記述が食い違ったところは、どちらかに決めずに並べています。
- 猫の餌を入れている器の呼び方。『落語百選 春』『はじめて読む 古典落語百選』は皿、『古典落語(大尾)』は茶わんとしています。
- 皿の値打ち。『落語百選 春』『古典落語(大尾)』は二百両か三百両とし、『はじめて読む 古典落語百選』は三百両としています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『落語百選 春(ちくま文庫)』麻生芳伸 編、筑摩書房、2004年
- 『古典落語(大尾)』興津要 編、講談社、1974年
- 『はじめて読む 古典落語百選』林家たい平、リベラル社、2021年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

