紀州飛脚きしゅうびきゃく
人並み外れた男に化けた狐が仕返しを試み、逆に音を上げる上方のバレ噺。
あらすじ
人並み外れた立派な身体を持つ喜六という男が、知り合いの甚兵衛にたっての頼みをされて、はるばる遠い紀州までの飛脚という長旅に、たった一人きりで出ることになりました。
旅の途中、人けのない道端でふと用を足したところ、それが運悪く一匹の狐にかかってしまいました。すっかり怒った狐は仕返しをしてやろうと考え込み、お姫様の姿に化けて喜六を誘惑します。
すっかりその気になった喜六が、いよいよ事に及ぼうとしたそのとき、女陰の姿に化けていた狐のほうは、腹立たしさのあまり、ひと思いに咬み切ってやろうと身構えていました。
ところが喜六のものがあまりにも大きく立派だったため、口に含んだ狐はひどく驚いてしまい、こらえきれずについに悲鳴のような声で音を上げてしまいました。「ああ、死ぬ死ぬ」
成立と背景
上方の艶笑噺の一つに数えられている噺です。落ちにはこのほかにもう一つ別の型が伝わっており、そちらは「道理でアゴ落とした」という短い一言だけで結ぶかたちになっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

