落語の演目

鶴満寺かくまんじ

滑稽噺上方落語が原話俳句と和歌春の噺若旦那

別題: 小町桜、花見寺

花見に和歌が要る寺へ入り込んだ一行が、酒くせの悪い寺男に手を焼く話。

あらすじ

大阪の鶴満寺は、小町桜と呼ばれるしだれ桜で名高いことから、花見どきになると大勢の人でにぎわいます。そこで寺では、和歌を詠まない花見客の立ち入りを禁じる札を立てていました。

そこへ若旦那が幇間と芸妓を連れてやって来ますが、寺男にすかさずとがめられてしまいます。困った若旦那は百文をこっそりつかませ、どうにか中へ入れてもらうことにしました。

一同は境内で酒を飲んで大いに騒ぎ、寺男にも酒をふるまいます。ところがこの寺男は酒癖が悪く、飲むとからんでくるので、さらに一朱を渡すとようやく機嫌を直し、歌ったり踊ったりしているうちに寝入ってしまいました。

帰ってきた住職は、酒宴の跡が散らかっているうえに寺男まで眠りこけているのを見て、「花見酒の連中を入れたな」ととがめます。寺男は「和歌を詠む客だったので入れました」と申し開きをしました。

住職が「どんな和歌を詠んだのだ」と尋ねると、寺男は「花の色は移りにけりな」と答えます。住職があきれて「それは小野小町の歌で、百人一首じゃないか」と言うと、寺男はこう返しました。「いかにもはじめが百で、あとが一朱だった」

成立と背景

鶴満寺は今も実在する寺で、大阪市大淀区にある天台宗の寺院です。この噺は上方に古くから伝わっているもので、狂言の「花折り」という演目が原典になっているとされています。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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