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正宗の婿選びまさむねのむこえらび
相州鎌倉の刀匠正宗が、婿の座をかけて門弟三人に刀を鍛えさせて競わせ、最も鋭い刀を鍛えた村正を、殺気を宿す妖刀だとして退ける話。
一席物(一話で完結する話)。系統は名刀伝(刀と刀工の話。)
あらすじ
相州鎌倉の刀匠宝龍斎五郎正宗は、五十二歳のとき、一人娘の婿にと三人の門弟仙吾村正、団九郎正近、彦四郎貞宗を選び、二十一日のうちに最も優れた刀を鍛えた者を婿にすると告げる。二十一日後、出来上がった刀を検分した結果、貞宗の刀が選ばれる。
納得のいかない村正は、切れ味を試すよう申し出る。小川を流れる藁に近づけると、村正の刀は藁を吸い寄せるようにして触れた瞬間に断ち切ってしまう。得意になる村正に対し、正宗は、刀の使命は天下国家を守ることにあり、殺気を帯びて刀本来の美しさを失ったものは名刀ではなく妖刀だと告げ、村正の刀には傲慢で短慮な気配が宿っていると指摘する。村正は怒りと落胆のあまり、姿をくらます。
成立と背景
正宗と村正が師弟であったという設定や時代考証は、史実に基づくものではないとされる。
神田松鯉が古い速記本から起こした演目で、神田松之丞はこの話を松鯉から教わった。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
講談は演者によって筋や読み方の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『講談入門』神田松之丞/編・文 長井好弘/写真 橘蓮二、河出書房新社、2018年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

