芝浜の革財布しばはまのかわざいふ
落語「芝浜」の浪曲版です。外題は初代木村松太郎によるもので、関東節で演じられます。
一席物(一席で完結する話)。系統は世話物。
あらすじ
主人公は江戸前の魚屋です。借金を抱え、夜中のおでん屋台などの仕事もして返済に努めます。3年後、借金がなくなったところで、女房がそれまでの顛末を語ります。
浪曲版では、新内「蘭蝶」の一節を聴かせてから落とす演出が入ります。『浪曲論』は、落語版のように科白で熱演するのではなく、じわじわと感情を染み込ませていく点に浪曲版の違いがあると述べています。
成立と背景
原作は落語「芝浜」で、三遊亭圓朝の作と言われます。昭和33年(1958年)に三代目桂三木助の口演が芸術祭奨励賞を受けたことで注目されました(落語家として初めての受賞)。浪曲の外題「芝浜の革財布」は初代木村松太郎によるものです。
演じてきた人
初代木村松太郎。関東節の演者で、若い頃からの持ちネタでした。広沢瓢右衛門とともに晩年になって広く知られるようになった演者です。
ほかの芸能でも演じられます
この演目は落語でも演じられています。同じ題材でも、 芸能によって筋の運びや読みどころが変わります。
- 落語「芝浜」
浜で拾った大金を「夢だった」と言われた魚屋が、三年後の大晦日に真相を聞かされます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
浪曲は演者によって筋や節の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 浪曲論[増補改訂版]/稲田和浩(彩流社・2022年)
上の本に書かれている事実をもとに、文章は書き起こしたものです。本の文章は転載していません。

