夢金ゆめきん
欲深い船頭が、雪の降る夜に女を助けたことで大金を受け取るまでの一部始終を夢に見る滑稽噺。
あらすじ
欲深い船頭は、二階で眠りながらも「百両欲しい」と寝言を言うほどであった。雪の降るある晩、身なりのよい若い女を連れた侍風の男が船宿を訪れ、深川まで屋根舟を仕立ててほしいと頼む。ちょうど漕ぎ手がいなかったところ、酒代をはずむという話に、寝言を言っていた船頭が呼ばれて漕ぎ出すことになる。
舟を漕ぎ出してしばらくすると、男は船頭に、連れの女は具合が悪いところを介抱して連れてきただけで、実は懐に大金を持っているので二人で殺して分け合おうと持ちかける。船頭はしぶしぶ承知したふりをして舟を中州に寄せ、男だけを降ろすと、そのまま舟を引き返してしまう。
女を無事に家まで送り届けると、礼にと金の包みを渡される。開けてみると百両もの大金が入っていたので、思わず両手で握りしめると、あまりの痛さに目が覚める。実は船宿の二階で、自分の体を両手で強く握りしめていただけだった。
目を覚ました船頭は、大金だと思って握りしめていたのが自分の体だったと気づく。
演じ方の違い
同じ演目でも、演者によって細部が変わります。分かっている違いを並べています。
- このあとに叫び声を上げて夢から覚める、あるいは周りの者にたしなめられるといった台詞を加えて演じることが多いようです。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『古典・新作 落語事典』瀧口雅仁、丸善出版、2016年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

