菖蒲売りしょうぶうり
別題: 仏壇菖蒲
売り声を聞き違えた侍に、菖蒲の由来を語って聞かせる話。
あらすじ
菖蒲売りが「菖蒲、ショーブ、仏壇菖蒲」と売り歩いていると、そそっかしい侍がこれを聞き違え、「勝負とあらば相手になろう」と飛び出してきました。
驚いた菖蒲売りでしたが、そこは口達者な商人らしく、仏壇菖蒲の由来を語り始めます。田植えの前にめぐってくる五月の節句を前にした晩、女性は田の神に仕える者として決まった家にこもり、物忌みの生活を送ったこと、そのしるしとして菖蒲を屋根にふいたことを説明しました。
さらに菖蒲には邪気を払い、疫病を防ぎ、ヘビや虫の毒を避ける効き目があるとされていたため、しだいにどの家でも屋根に飾るようになったのだと、菖蒲売りはよどみなくしゃべり続けます。
感心した侍は「なかなかもって下へは置けぬ」と言いました。菖蒲売りが答えます。「それで屋根へ上げます」
成立と背景
上方に伝わる噺で、桂松光の演目帳『風流昔噺』、万延二年の記録に「五月しゃうぶ売、但しいつも屋根に上て御座ります」という記述が残っています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

