落語の演目

けつねけつね

滑稽噺上方落語が原話動物が化ける喧嘩武士

狐と見破った侍が、姉狐を助けるために男のところへ掛け合いに行く話。

あらすじ

大和国高田の野原を一人の武士が北へ向かって歩いていると、道沿いに建つ一軒の家から十五、六ばかりの娘が飛び出して来て「お侍さま、助けてください」と声をかけてきました。

武士が「おまえはキツネだろう」と見抜くと、娘は素直に認めます。「さすがはお武家さま、私はキツネです。甚九郎のところで働かされている姉ギツネを助けてほしいのです」と頼み込みました。

武士は甚九郎という男を訪ね、姉ギツネを助けてやってほしいと頼みます。甚九郎は五両出すならと持ちかけ、武士はいわれたとおり五両を渡して、キツネを助け出してやりました。娘のおたねにみやげをねだられた甚九郎が、金を置いた仏前に行くと、小判は柿の葉に変わっていました。

一方その武士は郡山の町に入り、紀の国屋という宿に泊まります。風呂から上がって酒を飲み、日記をつけようとしていると、白髪の老人がすっと音もなく部屋に入って来ました。

老人は「助けていただいたキツネです。小判を木の葉にすりかえてお返しに参りました。ところで隣の部屋に物騒な者がおります」と告げます。のぞいてみると、鉄砲を構えた甚九郎の姿がありました。

甚九郎はたちまち体がしびれてしまい、「ここまで追ってきたが、火縄に火をつけたとたん体がしびれた、恐ろしいことだ」と後悔します。武士が「甚九郎、いま鳴る鐘は何どきだ」と尋ねると、甚九郎は「初夜でございます」と答えました。

武士は「猟師にキツネに庄屋、初夜とは、まるできつねけんのようだ」と笑いました。手荒なまねをしたことを姉ギツネに詫びる甚九郎に、姉ギツネは恥ずかしがってこう答えました。「コソコソ」

成立と背景

河内や大和の方言でキツネを「ケツネ」と呼ぶことから付いた題名です。森暁紅の原作をもとに花月亭九里丸が落語にしたもので、橘円都がたまに高座にかけていた珍しい上方ばなしとされています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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