落語の演目

紙屑屋かみくずや

音曲噺義太夫若旦那奉公人

別題: 紙屑のよりこ、浮かれの屑より

屑のより分けを始めた若旦那が、出てくる本のたびに芝居や義太夫を始める話。

あらすじ

よそに身を寄せる居候の若旦那が、日々の小遣い稼ぎのために紙屑屋へ通うようになり、店に届いた紙屑をより分ける仕事を始めました。

ところが仕事をしながらも、川柳の本が出てくればつい読みふけり、忠臣蔵三段目の義太夫本が出てくれば芝居さながらに見得を切り始めてしまいます。

あきれる紙屑屋の主人のもとへ、外科医の吉田宗庵が「何やらさわがしいようだが」と訪ねて来ました。主人は「先生、ちょうどよいところへ。うちに来た奉公人が、どうも陽気にあてられて気がふれたようで」と告げます。

「それなら私が取り押さえてあげよう」と、宗庵が仕事場に入って行きます。若旦那は芝居のせりふそのままに「スリャ本性でお言いやったか」と応じ、宗庵がなだめようと抱きとめても、なおも芝居がかった調子を崩しませんでした。

若旦那は「われをとどめしは本蔵か」と芝居の名せりふを口にします。宗庵はこう答えました。「いいや、外療だ」

成立と背景

サゲの本蔵は忠臣蔵に登場する人物の名で、本草(薬になる植物を研究する学者)と同音であることを踏まえた地口です。木蔵と本道(内科医)のしゃれだとする解釈もあります。

円朝が演じた音曲ばなしでは、ここまでのすじで結ばれますが、上方では居候が遊んでばかりで役に立たないことから「お前もよっぽど人間の屑やな」「へえ、いっしょによってもらおうか知らん」というサゲになります。先代三升家小勝は、これに「喜撰」のサゲを取り込んで演じていました。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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