双蝶々ふたっちょうちょう
別題: 長吉、小雀長吉
継母と先妻の子の確執から、悪事を重ねた息子が捕らわれるまでの話。
あらすじ
長兵衛の後妻となったお光はできた人柄でしたが、先妻の子である長吉は幼いころから手のつけられない悪童でした。もてあました長兵衛は、長吉を米問屋へ奉公に出します。
奉公先でも根っからの才覚で、長吉は店の勘定を誰よりも上手にこなしていました。ところがある晩、番頭の権九郎があとをつけると、寺の境内で仲間と共に通りがかりの女から簪を奪う長吉の姿を目撃してしまいます。
問い詰められた長吉はついに悪事を認めますが、実はこの権九郎自身も曲者でした。恋仲の女を若旦那に身請けされそうになっている権九郎は、店の金を盗み出すよう長吉に持ちかけます。
弱みを握られた長吉は言われるままに大金を盗み出しますが、その場面を年若い奉公人に見られてしまいます。長吉は口封じのためにこの奉公人と権九郎の両方を手にかけ、遠国へ逃げてしまいました。
その後、長兵衛とお光は息子の悪行が知れ渡って住まいを転々とし、いまでは長兵衛は体が利かず、お光が物乞いをして暮らしをつないでいました。
ある夜、お光の物乞いに大金を恵んでくれた人がいました。よく見ると、それは何年も前に別れたきりの息子、長吉でした。長吉は詫びの言葉とともに大金を差し出しますが、頑固な父親は不浄な金だと受け取りません。
押し問答の末、長吉は金を置いたまま立ち去ろうとします。それでも父親は、去っていく息子に羽織を掛けてやりました。
長吉が家を出て橋にさしかかったところで、捕り手に取り囲まれ、召し捕られてしまいます。
成立と背景
人情噺で、「双蝶々」という題は浄瑠璃「双蝶蝶曲輪日記」の登場人物にちなむとされます。円朝全集には「小雀長吉」の題で載っており円朝作ともいわれますが、確証はありません。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

