落語の演目

粟餅あわもち

滑稽噺喧嘩菓子与太郎吉原

別題: 粟餅の女郎買い

吉原へ繰り込んだ若い者が、粟餅と砂糖を使って店の者を驚かせようといたずらを仕掛ける話。

あらすじ

町内の若い衆が四、五人そろって、吉原へ繰り込むことになりました。ただ遊びに行くだけでは面白くないと、先方をひとつ驚かせてやろうと、粟餅と灰色がかった砂糖を買い込みます。

座敷に上がると、一人が腹が痛いと言い出したので、別間に布団を敷いて寝かせました。皆が遊んでいる間に、寝ていたはずの与太郎は粟餅を砂糖でこねて汚物そっくりの形につくり、煙草盆の灰を捨てて灰色の砂糖にすり替え、便所へ向かいます。

仲間が与太郎の様子をたずねると、今しがた便所に立ったようだとの返事。あいつは尻癖が悪くて便所のたびに粗相をするんだと言いながら部屋をのぞくと、案の定、布団の上に汚れがありました。

「おれがあいつの友だちだから始末する」「いやおれが」と取り合いのけんかになり、しまいには「食ってやらあ」と灰をまぶして皆で口に運びはじめます。居合わせた女が毒だからおよしと止める間もなく、便所から与太郎が戻ってきました。

「あれ、みんな食べてしまっておれの分がない」とこぼす与太郎に、仲間が余った分をどうしたのかとたずねると、与太郎はこう答えます。「そんなことだろうと思って、あの神棚に上げといたんだ」

「神棚に上げるなんてもったいない、ばちが当たるよ」とたしなめられた与太郎は、悪びれもせずこう答えました。「なあにもったいないことはねえ、食べる前にお初に上げたんだ」

成立と背景

四代目橘家円蔵が高座で得意にしていた噺として知られています。話の中身がいささか下品だという理由から、今日でも寄席や放送ではあまり演じられることがないとされています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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