浪曲の演目

藪井玄以やぶいげんい

世話物講談が原作大坂東海道実在の人物が題材

別題: 薮井玄意

大坂の裏長屋に住む医師が、貧しい人からは薬代を取らず、疫病の流行にも秘薬で立ち向かいます。

一席物(一席で完結する話)。系統は世話物

あらすじ

医師の玄以が住むのは、大坂は心斎橋の貧乏長屋。天皇の御典医をしのぐ見立てをしながら、諸国をめぐって人を助ける道を選びます。

長屋に疫病が流行ったときには秘薬でこれを治し、貧しい人からは診察代も薬代も取りません。そうした名医の働きを描く一席です。

一場面ではなく、主人公の人物像と働きの筋立てのみを書いています。『講談事典』が示すのがこの範囲までのためです。あらすじは同書の記述にもとづきます(講談での読み方)。『浪曲事典』が収めるのは口演の一節(東海道の関の宿の場)だけで、筋の記述はありません。

成立と背景

大坂が舞台であることから、上方の講釈師が手がけることが多く、浪曲や落語でも演じられています。もとになったのは江戸前期の医者・北山友松子(寿安)で、明で編まれた医書を研究し、貧しい人からも慕われたとされます。

演じてきた人

日吉川秋水。『浪曲事典』の「浪曲名作抄」は、日吉川秋水の「藪井玄以(東海道の巻)」を収めており、関の宿を舞台にした場から始まります。

この演目を調べる・聴く

浪曲は演者によって筋や節の細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 講談事典瀧口雅仁丸善出版2023年
  2. 浪曲事典安斎竹夫 編・著日本情報センター1975年

上の本に書かれている事実をもとに、文章は書き起こしたものです。本の文章は転載していません。

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