わしがかかわしがかか
娘を狙う宿の主人を脅した客が、部屋を取り違える話。
あらすじ
紀州路のある宿屋の主人は素行の悪い男で、若い娘が通りかかったのを見て泊まらせ、夜がふけたら手ごめにしてやろうともくろんでいました。
それを察した客が主人を脅します。「わしを先に娘の部屋へ行かせないと、娘にこのことを話すばかりか、近所じゅうに言いふらすぞ」
仕方なく主人は「娘は二階の三つ目の部屋に泊まっている」と教えました。喜んだ客がその部屋に忍んで行くと、たいそう歓迎されて情事に及びます。
客がそのことを主人に話すと、主人は不思議がりました。「はて、あんなうぶな生娘があれほど歓迎するとは。おまえさん、階段を上がって右へ三つ目の部屋へ行ったんだろうな」
客が「いや、左へ三つ目だ」と答えると、主人はこう言いました。「しまった。それはわしがかかだ」
成立と背景
上方に伝わるバレばなしです。客が部屋に忍んで行く場面を、演じ手によっては露骨に演じることもあったと伝わります。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

