つる女つるじょ
言葉の丁寧すぎる嫁が、夫婦げんかの仲裁で一声かける話。
あらすじ
八五郎は、ばかに言葉のていねいな、つるという女を嫁にもらいました。話し方を直そうといろいろ教えるうちに、遊里の言葉づかいになったり、荒くれ者のような口調になったりして、なかなかふつうの言葉遣いに定まりません。
ある日、家主のところで夫婦げんかが始まりました。長屋じゅうで止めに入りましたが、家主のばあさんの勢いが強く、どうにもおさまりません。
そこで八五郎の嫁が仲裁に入りました。「御内儀には白髪秋風になびかせたまう御身にて、しっとに狂乱したまうは、みずからかえり見て恥ずかしゅうはおぼし召されずや。早々にお静まりあってしかるべく存じたてまつる」
すると、ばあさんは煙に巻かれたような様子で、けんかをおさめてしまいました。家主が感謝しながらも、不思議そうにこう尋ねます。「おつるさんありがとう。でもどうしてばあさんピタリとおさまったんじゃろうなあ」
嫁はこう答えました。「そらツルの一声やもん」
成立と背景
「たらちね」の後日談にあたる演目です。「たらちね」は、あまりに丁寧な言葉づかいをする女性を妻にもらった男を描いた噺で、つる女はその後の夫婦のやりとりを描いています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

