剣のお産つるぎのおさん
刀の鐺から身ごもった娘が、刀を産み落とす話。
あらすじ
ある祭りの日、一人の侍がお神楽を見ながら、囃子に合わせて体をゆすっていました。腰に差していた刀の鐺が、そのたびに揺れます。
すぐうしろでそれを見ていた娘が、思わずその気になってしまいました。前をはだけ、鐺を自分の体に押し当てて、そのまま気をやってしまいます。
それからしばらくたつと、娘の腹がだんだん大きくなっていきました。そしてとうとう、赤錆びた刀を一振り産み落としてしまいます。
当人も親もすっかり驚いてしまいました。そこへ物知りが現れ、唐土に伝わる干将莫耶の剣の故事を引き合いに出し、昔からそうしたこともまれにはあるものだと話して聞かせます。
親が「それにしても、こう赤錆びていては仕方がない」と言うと、刀はこう泣き声をあげました。「研ぎやァ、研ぎやァ(おぎゃあ、おぎゃあ)」
成立と背景
円生が、剣舞を舞う人から口伝えに聞いたと語っていたバレばなしですが、高座で演じられたのを聞いたことはないと伝わっています。原話は、安永三年に江戸で出た『稚獅子』に収められている「小刀」です。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

