十日戎とおかえびす
えびす参りの代参に出た者が、それぞれ肝心なことを忘れる話。
あらすじ
十日戎のお参りに若旦那を代参させたところ、すっかり酔っぱらってしまい、肝心の縁起物である小宝を買うのを忘れて帰ってきました。
そこで翌年はこりごりだと、かわりに下男を代参させることにしましたが、今度はサイ銭をあげないままふらりと帰ってきてしまいました。
主人が「なぜサイ銭をあげずに帰ったんや、エベッさんに義理が悪いやないか」と叱ると、下男は「エベッさんはお留守でした」と答えました。主人は「そんなアホな」とあきれます。
下男はこう言いました。「そうかて、大勢の人が裏門たたいてました」
成立と背景
十日戎とは、正月十日に行われる大阪今宮神社の祭礼です。祭神の蛭子尊は耳が遠いという俗説から、参拝者が木づちで社殿の裏を叩く習わしがあります。
小宝は、小判や俵などの縁起物を笹の枝につけた祝儀物で、吉兆とも呼ばれます。上方の噺で、「子宝負けてもろうた」というサゲの型も伝わっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

