落語の演目

心中しんじゅう

艶笑噺夫婦女房

最後の別れを許された科人夫婦の物音に、役人が慌てるバレ噺。

あらすじ

あすは市中引き回しのうえ、はりつけの刑に処されると決まった科人がいました。情けをかけた役人は、この世のなごりに何か望みがあれば聞き届けようと申し出ます。

科人は、女房にひと目会って別れを告げたいと願い出ました。役人はこれを聞き入れ、二人だけを一部屋に入れ、自分は隣の部屋で控えていました。

しばらくすると隣室から、女房の「ア死ぬ死ぬ」「俺も一緒に行く行く」という声が聞こえてきます。驚いた役人はこう言いました。「こりゃ両人、ここで心中されては身共の役目があい立たん」

成立と背景

男女が別れを惜しんで交わす睦言を、本物の心中と聞き違えて慌てる役人の姿を通じて、型どおりにしか物事をとらえられない役人気質を描いた艶笑噺です。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ