悟り坊主さとりぼうず
願人坊主を弘法大師かもしれないと言った夫婦の話を、当人が聞きつける話。
あらすじ
みすぼらしいなりの願人坊主が通りかかるのを見て、女房が「あの坊主は、願人の中でもとりわけきたない格好をしている」と言いました。
亭主がそれをとがめて「そんなことを言うものじゃない。昔、弘法大師が人の心を見きわめるために、わざときたない身なりで諸国を歩いたという言い伝えがある。あの坊さんも、大きな寺のえらい僧正かもしれない」とたしなめます。
ちょうどそこを通りかかった、別の願人坊主の耳にもこのやり取りが入りました。その坊主はすっかり得意になって「ああ、南無三、悟られたか」とつぶやきます。
それを聞いた亭主は吹き出し、「あいつは大した奴だ。えらい坊さんかもしれないと言ったら、もうその気になって、悟られたかとは何事だ」と文句を言うと、坊主はまた「南無三、また悟られた」と言いました。
成立と背景
この話のもとになったのは、江戸時代の明和九年に出た本に収められている「願人坊主」という小咄だと伝わっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

