落語の演目

猫怪談ねこかいだん

人情噺与太郎

早桶が壊れた道中で、与太郎が仏の番をするうちに怪しくなる話。

あらすじ

与太郎の育ての親が亡くなりましたが、与太郎には金もなく、葬式の手配もできません。家主が力を貸し、どうにか早桶を用意しました。

手が足りないので、近所に住む臆病者の羅宇屋甚兵衛にも頼み込み、与太郎と二人がかりで早桶をかついで、谷中のお寺へと向かいました。

途中でかつぎ縄が切れ、早桶がばらばらになってしまいました。家主と甚兵衛は、与太郎に亡骸の番を言いつけて、早桶を買いに出かけます。

与太郎が番をしていると、一尺ほどの黒いものがすうっと通り過ぎ、それまで横たわっていた亡骸がびょこびょこと起き上がり、与太郎と向かい合って「ひひひ」と笑いました。与太郎が平手打ちを食わせると、亡骸はまた横になります。

何か言いたいことがあるのだろうと思った与太郎は、もう一度動いてくれと亡骸に頼みました。すると亡骸はまたびょこびょこ跳ねながら、遠くへ行ってしまいます。

早桶を買って戻ってきた二人がこの話を聞き、家主は「馬鹿野郎、死骸に魔がさしたんだ。死骸がいなきゃどうするんだ。甚兵衛さん、聞いたかい」と叱りつけました。甚兵衛はがたがた震えながら「ぬ、抜けました」と言います。

「しょうがねえなあ、今買って来たばかりなのに、また早桶の底が抜けたのか」と言われた甚兵衛は、こう答えました。「いえ、今度は私の腰が抜けました」

成立と背景

人情噺の一部分ではないかとみられており、現在は三遊亭圓生がこの噺を演じています。

演出によっては、この後、亡骸が別の質屋の土蔵にかかっていたために早桶をもう一つ買うことになったという続きが加わることもあります。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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