落語の演目

成田小僧なりたこぞう

滑稽噺若旦那小僧芸者

おしゃべりな小僧の口利きから、若旦那と芸者がなれそめる話。

あらすじ

本郷春木町の塗物屋・十一屋の若旦那が、父の名代で深川の不動へお参りに行った帰り、料理屋で食事をします。連れていた小僧がたいへんなおしゃべりで、居合わせた美しい芸者小千代に声をかけるよう勧めたことから、二人はなれそめました。

ところが若旦那がしばらく姿を見せなくなり、小千代は思い悩んで寝込んでしまいます。朋輩の芸者が慰めているところへ若旦那の身に何かあったらしいという知らせが入り、小千代は血相を変えて飛び出します。

一方、十一屋では若旦那が亡くなったものと思い込んで店じゅうが沈み込み、父親は小僧の長松を連れて深川にある寺へ弔いのお参りに出かけました。

その帰り道、吾妻橋にさしかかると、今にも身を投げようとしている女の姿があります。慌てて駆け寄って止めると、これが小千代だったのです。

互いに事情を話すうちに、小千代は実は十一屋の若旦那とは腹違いの兄妹で、赤ん坊のころに里子に出されていた娘だということがわかります。

ちょうどそこへ番頭が駆けつけ、若旦那が実はサンフランシスコへ渡っていたと知らせる手紙を持って来たので、その場にいた皆がほっと胸をなで下ろします。

それでも小千代は思い詰めた様子を崩さず、こう言いました。「私はどうしても死ななければなりません。死んで貞女のかがみを立てとうございます」

これを聞いた長松がこう言いました。「かがみを立てたいわけだ。もとは塗り物屋の兄妹だ」

成立と背景

二代目春風亭柳枝が幕末から明治にかけて演じていた噺を、三代目三遊亭円遊が手直ししたものです。「成田小僧」という題は、不動へお参りに行くくだりに由来すると考えられています。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ