中沢道二なかざわどうに
江戸へ心学を広めに来た上方の学者が、聴衆の思惑と食い違う話。
あらすじ
上方で心学を教えていた学者の中沢道二は、「江戸っ子はどうも気が短くていけない。心学を授けて鍛え直してやろう」と思い立ち、はるばる江戸へやって来ます。
日本橋の中橋に「中沢道二講話会」という看板を掲げると、町の連中は心学の会を田楽を振る舞う会と勘違いし、大勢押しかけて来ました。
ところが話が始まっても、期待していた食べ物が一向に出て来ないので、集まった者たちはしびれを切らし、次々に帰ってしまいました。
一人だけ最後まで熱心に聞いている客がいたので、道二は「あなたは江戸っ子には珍しく、わたしの話をわかってくれましたか」と尋ねました。
その客はこう答えました。「いや、しびれが切れて立てねえんだ」
成立と背景
この噺は「二十四孝」「天災」「由辰」といった演目につながる導入として語られることがあり、林家正蔵が高座にかけています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

