枕丁稚まくらでっち
別題: くの字抜け
手紙の字が一つ抜けていたために、使いの丁稚が追い返される話。
あらすじ
分家の丁稚が、本家への使いを言いつけられ、手紙を預かって出かけました。本家に着き、番頭が受け取った手紙を開いて読みます。
その手紙には「本日田舎より女客が三人まいりましたので、恐縮ながらお秋のまら三つお貸し下され」という文面が、そのまま書き記されていました。
番頭はあきれ、いくら分家でも冗談が過ぎると腹を立て、丁稚を追い返してしまいます。丁稚は訳も分からないまま、しょんぼりと分家へ戻りました。
分家の番頭は、本家の番頭が怒っていたと聞いて不審に思い、手紙をもう一度読み返します。そこでようやく気づきました。「……あっ、くの字が抜けてた」
成立と背景
本来は「お秋の枕三つお貸し下され」と書くはずが、「く」の一字が抜けたために下品な言葉に読めてしまったという仕掛けです。この噺は「くの字抜け」という題で呼ばれることもありますが、その題名だけでオチの仕掛けが分かってしまうため、あまりよい呼び方ではないとされています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

