落語の演目

工夫の医者くふうのいしゃ

滑稽噺江戸の小噺が原話八五郎医者

別題: 頓智の医者

薬を使わない治療を思いついた藪医者が、生き物を次々にのめと勧める話。

あらすじ

薬を使わずに病気を治す工夫をしたという藪医者がいました。サナダ虫がわいて困っている八五郎が、薬なしで治してほしいと頼みに来ます。

医者はまず、腹の中でサナダ虫を食べてくれるという生き物を飲むよう勧めました。それが腹に残ったらどうするのかと聞かれると、次はヘビを飲めばよいと答えます。

ヘビが残ったらナメクジ、ナメクジが残ったらスズメ、それからタカ、ワシ、かりうどと、次々に飲む相手を変えていく答えが続きました。

最後に「鬼が残ったらどうする」と聞かれた医者は、節分の豆を飲めばよい、それでも駄目なら熱い酒をたっぷり浴びせれば鬼は焼け死んでしまうと答えます。

八五郎が「先生、お前さん気でも狂いなすったか」とあきれると、医者は澄まして答えました。「なに、鐘馗(正気)で言うんだ」

成立と背景

鼻の圓遊が演じた演目で、上方では「頓智の医者」の題で演じられます。似た筋の「蘭方医者」という噺もあります。

原話は天保八年に江戸で出た『落噺仕立おろし』に収められている「声の出る薬」です。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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