高野雪隠こうやせんち
高野山の便所に感心した老夫婦が、長屋でも同じ心配をする話。
あらすじ
長屋につつましく暮らす信心深い老夫婦がそろって高野山へお参りに出かけ、谷の上に架けられた天然の水洗式の便所を見て、二人ともすっかり感心して長屋へ帰ってきました。
感心のあまり、二人は自分たちの長屋の路地の入り口にも、高野山とそっくり同じ仕組みの雪隠を思い立ってこっそりこしらえてしまいます。近所の者にはそのことを黙っていました。
それからというもの、長屋の路地へ入ろうとする人の姿を見かけるたびに、決まって声をかける者が現れるようになったということです。「気い付けや、またばばが降ってくる」
成立と背景
上方に古くから伝わる噺です。老夫婦が路地の入り口に雪隠をこしらえた事情をあえて語らずに聞かせ、最後の一言でようやく気づかせる「考え落ち」という仕立てになっています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

