狐つききつねつき
人に化けて店を営む狐夫婦が、狐憑き騒ぎに出くわしてひやりとする話。
あらすじ
王子の里に古くから住みついていた一対の狐の夫婦が、ある日人間の姿に化けて吉兵衛、おこんと名乗り、その土地で小さな稲荷ずし屋を新しく開いてはじめました。夫婦そろっての商いです。
商売はよく繁盛していましたが、ある日、店の前に人だかりができて「このキツネめ、キツネめ」とののしる声が聞こえてきます。正体が知れたのではと吉兵衛は真っ青になりました。
よく見ると、それは別の男に取りついたキツネを追い出そうと、大勢が男を打ったり蹴ったりしている騒ぎでした。気の毒に思った吉兵衛は、自分がなおしてやろうと、キツネつきの男と問答を始めます。
「おまえはどこのキツネだ」と聞くと、男は「白蔵主のキツネだ」「九尾のキツネだ」などといろいろ答えますが、そのつど吉兵衛の言葉にやり込められてしまい、「実に申し訳ありません。今日限り退散いたします」と言うなり気を失ってしまいました。
やがて気がついた男は「皆様にご迷惑をおかけしまして相すみません。おかげで正気になりました」と言います。それを聞いた吉兵衛夫婦は、思わずうれし泣きをしてしまいました。
二人が「コソ、コソ」と小さく忍び泣きする声を耳にした、もとキツネつきだった男は、それを聞いて思わず苦笑いしながらこう言いました。「いや、まねをされては面目ない」
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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

