狐と馬きつねとうま
道連れになった娘と男が、互いの正体を疑い合うバレ噺。
あらすじ
旅先で、ある男がたいそう美しい娘と、ふとしたきっかけから道連れになりました。旅の恥はかき捨てとばかりに思い切って声をかけてみると、娘のほうもまんざらではない様子を見せます。
人目のまったくない物陰へそっと移って二人は事に及びましたが、事が済んでからあらためてよくよく見てみると、男はどうも娘の様子が堅気には見えないと感じはじめました。
男が「失礼なことを聞くようだが、もしやおまえさんは狐じゃないかい」と尋ねると、娘はこう言い返しました。「あたしゃ狐じゃないけれど、おまえさんは馬じゃないのかい」
成立と背景
上方の艶笑噺です。当時の隠語で、狐は女郎を指すことばでもあり、馬は男性自身が大きいことのたとえでした。原話は文政九年に江戸で出た『流行咄安売』に収められている「早業」という一編とされています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

