甲子まつりきのえねまつり
別題: 忠孝
けちな主人が夢で貧乏神に諭され、奉公人への接し方を改める話。
あらすじ
たいそうけちなことで近所じゅうに知れ渡っているある旦那が、甲子まつりの晩に神棚の大黒様に向かって熱心に拝んでいるうちに、いつのまにかそのまま寝入ってしまいました。
夢の中では大黒様が家を出ていってしまい、代わりに貧乏神が入ってきます。貧乏神は旦那のけちな性分をいましめ、使用人にやさしく接しながら使っていかなければ、これから先も不幸が続くと告げました。
夢から覚めた旦那はすっかり心を入れ替え、小僧の定吉に「よく今まで辛抱してくれた。これからも目をかけるから、店のために働いておくれ」と声をかけます。定吉は「どうかお宅へ末長くお置きくださいまし。決してお言葉にそむきません」と答えました。
そこへ大黒様のお使いのネズミが、神棚のわきから顔を出してチュウチュウと鳴きます。旦那は「おお、ネズミがおまえをほめている。この金をあげるから、何でも好きなものを買って、おとっつぁんのところへ持って帰ってやりなさい」と言い、定吉は喜んで礼を言いました。
そうして親子でしみじみと話し込んでいるうちに、いつのまにか東の空がだんだんと白々と明けはじめ、表の戸をそっとあけてみると、屋根の上でカラスがコウコウと鳴いていました。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

