落語の演目

加賀見山かがみやま

芝居噺医者江戸

芝居の筋に客が一々口を出し、しまいに舞台から返される話。

あらすじ

「加賀見山旧錦絵」という芝居を、客席の客たちが熱心に観ています。お姫様が「局岩藤、中老尾上、皆も大儀」と幕から出てくると、客のひとりが「お姫様のくせに生意気な、澄ましやがって」と茶々を入れました。

主税が求女と左枝の不義を言い立てて二人を捕らえて連れ出すと、尾上が証拠を出せと迫ります。これを見ていた客が「早く証拠を出したら話がつくねん」と大声を出し、連れの者にたしなめられる一幕もありました。

やがて軍次兵衛が現れ、医者を斬って幕になる場面になります。本来なら岩藤が「軍次兵衛様、お腰をば」と言うところを、この客席では岩藤役が「お耳をば」と言い換え、軍次兵衛の耳もとで何ごとかをささやきました。

岩藤役は小声でこう告げます。「おい、桟敷の三つ目にな、十七八の娘がな、立て膝して弁当食うてよる」相手が聞き取れずにいると、岩藤役はさらに大声を張り上げました。「つんぼ! 桟敷の三つ目にな、十七八の娘が、立て膝して弁当食うてよる」

すると、先ほど舞台の上で斬られて倒れていたはずの医者役までもが、娘の話につい釣られて起き上がってしまい、こう口にしてしまいました。「えっ、そらまた、どこだんねん」

成立と背景

この噺は歌舞伎「加賀見山旧錦絵」の筋書きを追いながら、観客のやじを織り込んでいく上方の芝居ばなしです。東京では、すでに亡くなった桂小文治が得意にして演じていたと伝わります。

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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