宝来ほうらい
別題: 宝来の蚊帳
七福神の芝居を初夢に見た旦那が、番頭に筋を語って聞かせる話。
あらすじ
芝居好きの旦那が、良い初夢を見ようと宝船の絵を買い込みました。
その夜、七福神をそれぞれの役者に見立てた芝居を夢に見て、思わず「高島屋」と声を上げたところで目が覚めてしまいます。
旦那は番頭を相手に、夢の中身を語って聞かせました。「まず幕があくと、鶴平、亀平というやつが、宝来という宝物を取り合って立ちまわりさ。その宝物を海へほうり込むと、宝船が押し出されてくる」
「その宝船には、今海へほうり込まれた宝物がちゃんと乗ってあって、まず弁天さまが出て、これが大磯の虎、毘沙門が梶原、福禄寿が工藤、恵比寿大黒が十郎五郎、布袋が朝比奈というぐあいで、間にせりふをいう途中で起こされた」
番頭が「それはおめでとうございました。そしてその宝物の宝来とはどんなものでございます」と尋ねると、旦那が答えました。「破れた蚊帳だ」
「どうしてです」と重ねて聞かれた旦那は、こう答えました。「吊る、これが鶴。蚊め、これが亀。鶴と亀が舞い込む」
成立と背景
六代目桂文治が演じた噺です。このサゲは、円右が「蚊いくさ」という噺のサゲにも使ったことがあるといいます。
原話は安永七年に出た「春笑一刻」に収められている「ほうらい山」とされています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

