落語の演目

歯抜きはぬき

滑稽噺江戸の小噺が原話商売花魁

別題: 歯抜き茶屋

歯みがき売りの入れ知恵で、廓に妙な忘れ物を置いてくる話。

あらすじ

若い衆が集まって、何かおもしろい廓遊びの趣向はないかと話していると、そこへ通りかかったのが「お早う」「歯抜き」と呼ばれる歯みがき売りでした。蔵前の長井兵助の売り子で、名を長井平助といいます。

平助は、ぼたもちをたくさん買って女郎や店の者に食べさせ、翌日に竹の皮に包んだ馬糞を忘れ物として置いてくれば、ゆうべ食べたのは馬糞だったと大騒ぎになるだろうといういたずらを授けました。

平助自身もその遊びに加わることになり、ももんじ屋でたぬきの足を買い求め、廊下にたぬきの足あとをつけておきます。ぼたもちをみなに振る舞ったあと、平助だけを残して一同は帰っていきました。

おいらんたちが、ゆうべもらったぼたもちを目覚めの一杯にと持ってくると、どうもくさい。開けてみると中身は馬糞でした。

そこへ若い衆が駆け込んできて「廊下じゅうに足あとがついています、ゆうべの連中はみんなたぬきが化けていたんです」と告げます。一人残っていた平助は、店の者にとうがらしの煙でいぶされることになりました。

平助が咳き込みながら「苦しい」と言うと、店の者が迫ります。「正体を現わせ、てめえはゆうべから化けていたたぬきだろう」平助が答えました。「いえ、蔵前の歯抜きでございます」

成立と背景

上方に伝わる「歯抜き茶屋」も、これと同じ内容の噺だと考えられています。原話は文政二年に江戸で出た「落噺福寿草」に収められている「小僧」とされています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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