落語の演目

江戸荒物えどあらもの

滑稽噺上方落語が原話真似して失敗江戸上方

上方の男が江戸言葉をまねて荒物屋を始め、言い回しがことごとくちぐはぐになる話。

あらすじ

上方者の喜六は荒物屋を始めることにしますが、ただの店では面白くないと、江戸っ子の言葉づかいをまねた「江戸荒物」と名乗ることにしました。隠居から、江戸っ子は魚河岸あたりでは威勢のよい啖呵を切るものだと聞かされ、そのべらんめえ口調を仕込まれます。

わらじを買いに来た客に伝法な啖呵を切ってみせると、客は驚いて何も買わずに帰ってしまいます。糊を求めに来た客にもけんか腰の悪態をついてしまい、すっかり怒らせてしまいました。

そこへ本物の江戸っ子が早口の伝法な調子でまくしたてながらやって来て、菓子を三つ買っていきました。喜六はそのやり取りにもうまく調子を合わせられず、しくじってばかりです。

続いて、訛りの強い田舎言葉を話す下女が井戸のつるべに使う長い縄を求めてやって来ますが、喜六には何を言っているのか通じません。ようやく用件がつるべ縄だとわかったものの、あいにく仕入れがありませんでした。

江戸っ子ふうの言い回しで断ろうと考えた喜六は、「ある」を「あります」と言うなら「ない」は「ないます」だろうと思いつき、「つるべ縄は今ないますないます」と答えます。下女はこう返しました。「やれ、のう(掏う)とっては間に合わんがな」

成立と背景

サゲは「ない」と「掏う」を重ねた地口です。大阪言葉と江戸言葉に加えて芸州あたりの田舎言葉までもが入り交じるため、演じ分けがむずかしい上方の噺の一つとされています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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