ざんぎりお滝ざんぎりおたき
贋金作りの父を持つ娘が、手癖の悪さを見せる話。
あらすじ
職人の銀次郎がにせ金を作っていることを、娘のお滝が何気なく口にしたことから、銀次郎は捕らえられてしまいます。母娘は近所に顔向けできず、叔父を頼って八丁堀へ移り住みました。
八歳になったお滝は、父親の血を引いたのか手癖が悪く、叔父の金を二両二分盗んだのが見つかり、こらしめのために江戸橋に置き去りにされてしまいます。
それでもお滝は平気な顔で遊び回り、夜になると夜回りの老人に迷子だと偽って泊めてもらいました。翌朝、その老人の家から銭を盗んで八丁堀の家へ帰ります。
拾ったのだと母親に説明しましたが、盗んだことが知れて折檻されます。母親はお滝を連れて老人のところへ行き、金を返してわびを入れました。
そうしているうちに、突然大地が激しく揺れ出しました。これが安政の大地震です。二人はあたりの騒ぎにもまれながら、命からがら逃げのびました。
ふと気づくと、お滝はさっきの金をまた手にしています。とがめる母親に、お滝はこう答えました。「右の手を引かれて、左の手が空いていたから、ちょっとさらってきたの」
成立と背景
明治時代に、女でありながら断髪の姿で各地を荒らした実在の女賊「ざんぎりお滝」の伝記に取材した噺です。春錦亭柳桜や朝寝坊むらくの口演記録が残っています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

