落語の演目

由辰よしたつ

滑稽噺親子

神道ばかり褒める心学者が、押しかけた相手を言いくるめる話。

あらすじ

むかし由辰という心学の先生が寄席に出ていました。この先生、日蓮宗や真言宗をことごとく悪く言い、神道ばかりをほめています。

日蓮宗の信者の男が腹を立て、由辰の家に押しかけると、由辰はすまして「南無妙法蓮華経」ととなえていました。なぜ日蓮宗を悪く言うのかと尋ねると、由辰はこう答えます。「あれは世を渡る方便でござる。わしが日蓮宗である証拠をお目にかけよう」

そう言って日蓮大菩薩を飾った仏間に案内しました。真言宗の信者が来たときも同じで、由辰の家には宗派ごとの仏間がいくつもできていました。

由辰は神道者を名乗りながら仏教で人をだますけしからぬ者だと、坊主たちが三十人ほど集まり、由辰の弟子になったふりをして隅田川の舟遊びに連れ出します。

由辰が小便をしたくなり舟べりからしようとすると「先生、川には水神がいらっしゃいます」と止められ、岸につけて地面でしようとすると「地には土神がいらっしゃいます」と止められます。木の陰でしようとしても「木には木神が」と止められました。

困り果てた由辰は、白い行衣を着た男の頭に小便をかけてしまいました。「これはけしからん、先生、何をなさる」由辰はこう答えました。「おまえの頭に髪(神)はない」

成立と背景

先代の小勝が得意とした演目で、「義竜」とも表記されます。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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