吉野よしの
別題: 口合根問
しゃれを覚えた与太郎が、相手を選ばずに使って外す話。
あらすじ
与太郎が腹が痛いと言うので、「腹が痛けりゃ吉野へござれだ」と声をかけられました。吉野へ行けば治るのかと聞く与太郎に、これは「花が見たけりゃ吉野へござれ」のしゃれだと教えてやります。
与太郎はこのしゃれをどこかで使ってみたくてたまらず、伯父のところへ出かけました。「伯父さん、腹が痛くないかい」「腹は痛くねえが、脚気で困っている」
与太郎は「脚気は具合が悪いな。なんとかその脚気を腹へまわせないかなあ」と言い出し、「馬鹿、脚気が腹へはいれば死んじまわあ」としかられてしまいます。
今度は伯母のところへ行き、「どこか痛いところはないかえ」と尋ねると、伯母は「年のせいか、腰が痛い」と答えました。与太郎はこう応じました。「腰が痛けりゃ、早桶屋へござれ」
成立と背景
原話は天明九年に江戸で出た『室の梅』に載っている地口です。
上方では「口合根問」といい、脚気で足が痛いと言われて「足が痛くばどこへも行かれん」と落とす型もあります。同じ「吉野」の題で「吉野狐」を指すこともあります。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

