落語の演目

吉野狐よしのぎつね

滑稽噺上方落語が原話若旦那

別題: 吉野、信田狐、吉野の花山、狐うどん

身投げを助けられた若旦那のもとへ、身を売った女が現れる話。

あらすじ

時計屋の若旦那・島三郎は、女遊びで金を使い込み、家にも帰れなくなって身投げをしようとしたところを、夜泣きうどん屋の安平に助けられました。

安平が島三郎の父親にかけあうと、もう縁を切った、どうにでもなれという返事だったので、安平がそのまま引き取って面倒を見ることにしました。

ある日、若く美しい女がやって来て「島三郎と言い交わした仲で、吉野と申します」と名乗りました。千円の貯金があるので、これを元手に二人を夫婦にしてほしいと頼みます。

安平はその金を元手に店を一軒持ち、島三郎と吉野を含めた一家四人で商いを始め、次第に繁盛していきました。

三年ほどたったころ、吉野が元いたお茶屋のおかみに出会った安平は、吉野がまだそこで働いていると聞かされ、吉野が二人いるのはおかしいと首をかしげます。店に戻るとそこにも吉野がいたので、にせ者だと思い込んでつかまえて問い詰めました。

すると女は明かしました。「実は自分は大和の国の狐の子です。あなたが大和へ旅したとき食べ物をもらったのがありがたく、恩を返そうと吉野さんの姿を借りていたのです」そう言うと狐の姿に戻りました。

島三郎はこう漏らしました。「今のいままで恋しい人だと思っていたのに、吉野が信田に変わって……」

成立と背景

二代目林家菊丸の作といわれる上方ばなしです。

吉野はあんかけうどん、信田はきつねうどんを指すうどん屋の符丁で、客が注文を変えると店員が「吉野が信田にかわって」と奥に伝える習わしがありました。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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