読みちがいよみちがい
お告げと思って読んだ紙の、本当の文句が分かる話。
あらすじ
信心深い善兵衛という男が、毎朝欠かさず観音様へ参詣していました。ある朝、砂ぼこりとともに飛んできた紙切れが、顔にぺったりとくっつきます。
手に取って見ると「おうかじあるぺえ、さとれ、ぜんぺい」と書いてありました。善兵衛はこれを観音様からのお告げだと思い込み、急いで家に帰ります。
火事が起きると告げられたと言って、奉公人たちに店の品物をすべてまとめさせました。
その晩の九つごろ、本当に大きな火事があり、善兵衛の家は焼けてしまいましたが、品物は一つも焼けずにすみました。
不審に思った者が奉行所に訴え出たため、善兵衛は取り調べを受けることになります。観音様のお告げだったのだと、証拠の紙を差し出しました。
ところが奉行がその紙を見ると、こう書いてありました。「おんかし、あるへえ、さとうせんべい」
成立と背景
菓子屋のちらしを見誤ったもので、当時は仮名に濁点を付けなかったため、こうした読みちがいも起こり得ました。初代円左が演じていた噺です。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

