焼物取りやきものとり
人数の足りない焼き物を、幇間が膳の下からやりくりする話。
あらすじ
祝い事があって三十五人の客を招きましたが、杢兵衛の分だけ焼き物、つまり尾頭付きの焼き魚が足りません。調べてみると、井上さんが孫を連れてきたためだとわかりました。
魚屋に追加を頼みましたが切り身しかなく、杢兵衛はそれでは納得しません。そこで幇間の太平が、井上さんの席へ行ってお世辞を言いながら「坊っちゃんおつゆがおすきなら、何べんでもかえてあげます」と言い、膳の下に焼き物を引き寄せて何くわぬ顔で下がってきました。
太平は焼き物を杢兵衛にまわし、今度はおつゆを持って「御隠居さん、あなたもおつゆをおかえあそばせ」と勧めます。すると孫が声をあげました。「おじいちゃん、お汁かえな」
祖父が「なんでや」と尋ねると、孫はこう答えました。「また焼き物取られる」
成立と背景
上方ばなしで、明治時代に曽呂利新左衛門が演じました。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

