やかんなめやかんなめ
別題: 梅見のやかん、茶瓶ねずり
癪を抑えるため、下女が侍の頭をなめさせてほしいと頼む話。
あらすじ
大家のおかみさんはひどいしゃく持ちで、やかんを舐めればその発作がおさまると言われていました。ある日、下女を連れて梅を見に出かけましたが、蛇を見てしゃくを起こしてしまいました。
下女はやかんが見当たらず困っていると、頭の禿げた武士が下郎を連れて通りかかります。下女はおそるおそるわけを話し、頭をなめさせてほしいと頼みました。
武士はいったん腹を立てますが、下女が死を覚悟してのことだと知ると、なめさせてやります。おかげでおかみさんのしゃくはおさまり、下女は厚く礼を言って別れました。
歩き出してまもなく、武士は頭がひりひりと痛み出しました。下郎が見ると、歯形が二枚ついています。「なに、きずができたか」と尋ねる武士に、下郎はこう答えました。「お案じなさるな。漏るほどのきずではございません」
成立と背景
本来のサゲは、狐にばかされたのだろうと言われた武士が「キツネか、道理でやかん(野干)を好んだわい」と返す地口でしたが、わかりにくいため今の形に変えられました。
上方ではこの噺を「茶瓶ねずり」と呼んでいます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

