藪医者やぶいしゃ
患者の来ない医者が下男をさくらに使い、うっかりぼろを出させる話。
あらすじ
無筆の藪医者は、なかなか患者が寄りつかないことに悩み、ひとつの策を思いつきました。下男の久蔵をさくらに仕立て、玄関先で急な病人が出た家から迎えが来たかのように大声を出させることにしました。
ところが慣れない久蔵は、「お隣りから来ました」と近すぎる家の名前を出したり、同じ家の名前を二度も三度も繰り返し口にしたりしてしまいます。
しまいには言うことがなくなり、「神田三河町、越中屋玄兵衛から来ました」と、ふだんこの家に出入りしている米屋の名前をそのまま言ってしまいました。
医者が「して、なんの御用でございます」と尋ねると、久蔵はうっかり答えてしまいます。「先月のお米の勘定をもれえに来た」
成立と背景
もとは「金玉医者」の前半だった部分を、四代目の小さんが一席物として独立させました。当代の小さんも演じ、まくらに「無筆の医者」をつけます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

