矢橋舟やばせぶね
別題: 矢栖舟雀丸の由来
渡し舟に乗り合わせた者たちの問答と、船中の顛末を描く話。
あらすじ
大津の矢橋から出る渡し舟に、伊勢参りの二人連れ、商人、一人旅の武士、二人連れの武士、雀を籠に入れた鳥さし、戸板に乗せられた病人、供を連れた大津の通人などが乗り合わせました。
船の中では色問答や無理問答が交わされます。通人が酒の燗をしようとして徳利を忘れたことに気づき、商人が持っていた新品のしびんを借りて燗をつけました。
船中の客にもふるまわれましたが、まちがって病人のしびんに入っていた小便を飲まされる客が出て大さわぎになります。一方、二人連れの武士は家宝の小烏丸を紛失し、これを探していました。
一人旅の武士が持つ刀が小烏丸によく似ていたことから、船中で拝見したいと申し入れますが断られます。無理にひったくるうちに刀が鞘から抜け、雀の籠へバリバリと突き刺さりました。
雀は驚いて空高く舞い上がりましたが、ふたたびこの刀に舞い降りてきました。刀の中身は、竹光だったのです。
成立と背景
上方ばなしで「東の旅」シリーズの一つにあたり、「小烏丸」という演目と同じサゲが使われています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

