災は下からわざわいはしもから
妾宅通いを隠したはずの旦那が、袴のたたみ方から露見する話。
あらすじ
ある旦那が、妾のところへ通うのを女房には夜網打ちに行くとうそをついて、丁稚を供に連れて出かけます。
妾の家に着くと、旦那が脱いだ羽織は丁稚がたたみ、袴は妾がたたみました。旦那は丁稚を帰す前に、災いは下から起きるというから口止めしておこうと小遣いを渡し、帰りに魚を買って帰れと言いつけます。
丁稚がメザシやカマボコを買って帰ったので、女房は「こんなものが夜網でとれるはずがない」と問いつめます。丁稚は、途中で犬に獲物をとられたので自分の小遣いで買ったのだとごまかしました。
羽織と袴を渡すと、女房が「これは誰がたたんだのだい」と尋ねます。丁稚がたたんだと答えると、女房はこう言いました。「こんなに羽織をきたなくたたんだ子が、袴をきれいにたためるはずがない」
「どうしてわかったんです」と尋ねられた女房が答えました。「災は下からや」
成立と背景
上方に伝わる噺で、「熊野の牛王(権助魚)」によく似た筋立てです。サゲは、袴を意味する「下」の読みにかけたもので、桂文枝から米朝へと伝わってきました。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

