落語の演目

魚づくしうおづくし

滑稽噺喧嘩見立て

別題: 迷莱屋

魚の名を人物に見立てて、遊里の痴話げんかと仲裁の場を仕立てた話。

あらすじ

深川の海老屋という見世に、川魚のおはやという遊女がいました。大尽と呼ばれる客の鰹はこのおはやにすっかり惚れ込み、幾晩も通い続けますが、おはやには江戸川から通ういきな鯉という馴染みの客がすでにいて、いっこうに相手にされません。

ある晩、鰹は取り巻きの蛸八や芸者のおこぜを相手に別の座敷で過ごしていましたが、おはやの姿が見当たりません。人にきいてみると、鯉のいる座敷にこもって鰹の悪口を並べているらしいと知れました。

これを知った鰹は勢いよく鯉の座敷へどなり込み、つかみ合いの騒ぎになります。すっぽんという子分を連れた侠客が割って入って言葉を尽くしてなだめますが、鯉はかえってこの二人にまで殴りかかる始末でした。

そこへ隣座敷から、亀甲模様の綿入れをまとい、銀鎖の煙草入れと俵編みの煙管を提げた蓑亀が進み出てきました。花川戸の名を挙げながら長々と仲裁の口上を述べ立て、見得を切ってみせると、魚たちは声をそろえてこう囃し立てました。「蓬莱屋ぁ」

成立と背景

初代林屋正蔵の作と伝わる噺です。登場する顔ぶれのほぼ全員に魚や亀の名を当てはめており、名前を並べていくところがこの噺の趣向になっています。

見得を切る蓑亀は、甲羅から長い藻が伸びて尾のように見える亀で、蓬莱台に載せて飾るめでたい生き物です。この場面の見得は、歌舞伎役者松本幸四郎の屋号である高麗屋にかけた演出になっています。

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落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

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