落語の演目

つづら泥つづらどろ

滑稽噺与太郎女房

つづらに隠れて質屋に運び込ませた二人が、思わぬ扱いを受ける話。

あらすじ

与太郎とその仲間が、尾張屋という質屋に預けた品物をいつまでも受け出せずに困っていました。ならばいっそ泥棒に入って取り返してこようと相談がまとまります。

しかし戸締まりの厳重な店なので、仲間の男が一計を案じました。つづらを尾張屋の表に置き、「尾張屋へ泥棒が入った」とどなっておいてから、そのつづらの中に二人で隠れるという段取りです。

声を聞いて店の者が出てくると、表につづらが置いてあります。欲張りな尾張屋の主人は「おや、ここにつづらが落ちている。盗まれなくてよかった。早く家に入れておけ」と、つづらをそのまま店の中に運び込みました。みんなが寝静まったころに抜け出して仕事にかかろうという狙いでした。

ところが尾張屋の主人は、つづらに「大与」と書かれているのを見つけます。「これは大工の与太郎のところのつづらだ。与太郎が盗まれて心配しているだろう」と考え、店の者に命じて与太郎の家へ届けさせてしまいました。

家の中が静かになったころ、つづらから出てきた二人は暗闇の中であたりを手探りします。与太郎は「兄い、こりゃあおれの半纏だ。かかあのやつ、こんなものまで質に入れやがって……あ、おはちまである」とつぶやきました。

物音に気づいて目を覚ましたかみさんが、「うるさいねえ。あれ、おまえさん、そこで何してんだい」と声をかけてきました。

与太郎はこう言いました。「いけねえ、かかあまで質にとりやがった」

この演目を調べる・聴く

落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。

出典

  1. 増補 落語事典東大落語会 編青蛙房1979年

上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

← 落語の演目一覧へ