とろろんとろろん
別題: 出られん
とろろ汁が出てこないので、客が唄で催促する話。
あらすじ
鞠子の宿にある宿屋で、下の座敷が寄り合いに使われていたため、大勢の客が二階に押し込まれました。名物のとろろ汁はいかがと勧められ、皆がこれを注文します。
麦飯は来たものの、肝心のとろろがなかなか出て来ません。階下が立て込んでいる様子なので、それとなく催促しようということになりました。
一人が甚句の節で「泊まり合わせたこの家の二階、麦のご馳走はいいけれど、何もなくては食べられぬ」と歌いますが、効き目がありません。
続いて巫女の老婆が神降ろしの祈祷を唱え、居合わせた大阪者が義太夫を語って聞かせますが、どちらもとろろを呼び寄せる効き目はありません。
最後に祭文語りが同じ文句を祭文の節で語ると、とたんに宿の主人がすり鉢を抱えて飛んで来ました。「トロロン、トーロローン」
成立と背景
祭文は「デロレン祭文」とも呼ばれ、後の浪曲の原型になったといわれています。サゲは「トロロン」と「デロレン」の語呂を掛けたもので、上方では「出られん」という題で演じられています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

