虎狩とらがり
朝鮮での先陣争いを、加藤清正の虎退治にかけて聞かせる地噺。
あらすじ
太閤秀吉が朝鮮へ大軍を送り込んだ際、名だたる二人の武将である加藤清正と小西行長が、どちらが先に攻め込むかをめぐって争いになります。
小西行長は泉州堺の薬屋の出で、たびたび朝鮮に渡ったことがあるため地の利に明るく、これを頼りに清正を出し抜こうと先に出ますが、清正は動じません。
そこへ一匹の大虎が現れます。清正が槍をしごいて突きかかりますが、手元が狂って虎の額をかすめただけで、槍はそれてしまいます。
しまったと引こうとしたところをがっちりと噛みつかれ、清正は身動きが取れず困り果てます。再び槍を繰り出すと、虎はその穂先に前足をかけてこう言いました。「虎、聞こえません、加藤さん」
これを見ていた大勢の兵隊が、こう声をかけました。「どうする、どうする」
成立と背景
サゲは、義太夫の決まり文句「そりゃ聞こえませぬ伝兵衛さん」をもじったものです。娘義太夫が人気を集めた時代、贔屓の「ドウスル連」が舞台に「どうする、どうする」と声をかけていたことにちなんでいます。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

