苫ヶ島とまがしま
禁じられた島で狩りをした殿様が、嵐と大蛇に見舞われる話。
あらすじ
紀州の殿様は、江戸から帰国してすぐ、神の祟りがあるので入ってはならないと家来がしきりに止めるのも聞かず、領内にある苫ヶ島へ狩りに出かけて行きます。
ところが半日狩りをしても獲物が一匹も獲れず、あきらめて引き揚げようとしたところ、にわかに空がかき曇り、一行は激しい暴風雨に見舞われてしまいます。
殿様が空に向かって鉄砲を撃たせると風雨はやみましたが、乗って来た御座船がどこかへ流されてしまい、島から帰ることができなくなってしまいます。
そこへ一匹の大蛇が現れます。末座に控えていた家来が進み出て、なぎなたを振るって大蛇の鼻柱を打つと、大蛇は鼻血を出します。
家来が大蛇の首筋をつかむと、大蛇は逃げようとしたはずみに首筋のうろこを数枚落としてしまい、その途端、鼻血がぴたりと止まりました。
成立と背景
上方に伝わる噺です。首筋の毛を三本抜くと鼻血が止まるという言い伝えに、サゲはかけられています。苫ヶ島は、紀淡海峡の東側にある友ヶ島の中の沖ノ島の別名とされています。
この演目を調べる・聴く
- 国立国会図書館サーチ
この演目の本・速記本・レコードの目録。誰が演じ、いつ出たものかが分かります。
- 歴史的音源(れきおん)
戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

