徳利妻とっくりのつま
別題: 徳利の女房、活々坊
酒好きの俳諧師のもとへ、徳利が女房にしてくれと現れる話。
あらすじ
活々坊という号を持つ、ある俳諧の先生がいました。名の知れた変わり者で、何よりも酒好きなことから、酒気を切らしたことがないといわれていました。
ある日、居酒屋で持ち合わせがないのに一升五合も飲んでしまい、店の若い衆になぐられました。番頭が若い衆をたしなめると、活々坊は「いや、わしが悪いのだ」と言い、その場で句をひねって主人に差し出します。
驚いた主人は無礼をわび、さらに酒を五合ふるまいました。店を出た活々坊が石屋の前にさしかかると、奉公人らしい小僧が、二升徳利の口もとを石で欠き割ろうとしているところでした。
活々坊はあわてて止め、「形のあるものを砕くのはもったいない」と言い、その徳利に一句書きつけました。これを見た石屋の親方はすぐに出てきて挨拶し、また一升ごちそうしてくれます。
その夜、活々坊が家で横になっていると、女の声が聞こえてきました。「さきほどはありがとうございました。おかげで命拾いをいたしました」
石屋の小僧に口を欠かれかけた徳利が礼を言いに来たといい、「私を女房にしてください」と頼みます。活々坊はこう答えました。「なるほどおまえは徳利だから、こぼれるときは、おっとっと、と言うのだろうな」
成立と背景
徳利をかたむけたときの「おっとっと」と、夫(おっと)をかけたしゃれがサゲになっています。
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- 国立国会図書館サーチ
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戦前を中心とした録音。同じ演目を誰が吹き込んだかが並びます。
- 歴史的音源(自宅で聴ける分だけ)
上の検索を、インターネット公開されている音源だけに絞ったものです。
落語は演者によって筋やサゲの細部が変わります。ここに書いたあらすじは一つの形で、 実際の高座とは違うことがあります。
出典
- 『増補 落語事典』東大落語会 編、青蛙房、1979年
上の本で確認した事実をもとに、文章は寄席ミルが書き起こしたものです。本文の引き写しはしていません。

